【目指せ本選‼】超わかりやすい日本数学オリンピック予選2021全問解説

数オリ解説
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初めに

前回に引き続き数学オリンピック予選2021の解説をしていこうと思います‼‼

本記事では問5から問8までなので、ほかの問題の解説が気になる方は、下のリンクをクリック‼‼

また、この記事の最後のほうでは、「数学オリンピックの問題を解けるようになる方法」について解説しているので、そちらに興味がある方は、この記事の最後のほうをチェック‼‼

まずは基本! 問1~問4の解説はこちら‼‼
難問揃い‼‼ 問9~問12の解答解説はこちら‼‼

それでは、日本数学オリンピック予選2021の問題の解答・解説を見ていきましょう‼‼

問5:

問題:下の図のように一辺の長さが1の立方体4個からなるブロックが4種類ある。このようなブロック4個を2×2×4の直方体にはみ出さないように敷き詰める方法は何通りあるか?ただし、ブロック同士は区別するものとし、回転させて一致する入れ方は異なるものとして数える。






解説:まず、左から順にa,b,c,dとする。

この時a,b,c,dどの相異なる二つのブロックをとってもうまく組み合わさらない(はみ出したり、余ったりする)ため、a,b,c,dは必ずそれぞれのブロックとくっつくことで、2×2×2の立方体となります。

ここで、aどうして作る立方体については4通り、bについては6通り、cについても6通りです。

よって、2×2×2の立方体が2つあるときは、dが2×2×2の立方体を作る場合における通り数は3通りであるから、(4+6+6+3)^2=361通り、2×2×2の立方体が一つでdが二つ(上側と下側)ある時は、(4+6+6+3)×1-1=18通り(-1は全部dの時)であるから、求める通り数は361+18=379通り。

これは解き方はとても簡単ですが計算ミスや数え間違いがしやすい問題です。数学オリンピックの5番としては簡単だと思います。

問6:

問題:正の整数nに対して、正の整数mであって、mとnが互いに素であり、m+1とn+1が互いに素であるもののうち最小のものをf(n)と表す。この時、f(1),f(2),…,f(10^10)のうちに現れる正の整数は何個あるか?

解答・解説:n+1を割り切らない素数のうち、最小のものをpとする。

もしf(n)<=p-1とする。この時、n+1互いに素でない整数qを用いて、f(n)=q-1<p-1と表すことができる。

しかし、この場合、n+1とm+1が互いに素にならないため矛盾。よってf(n)>=p-1である。

 ここではf(n)=p-1の時について考える。f(n)=m=p-1の時、m+1=pは仮定より、明らかにn+1と互いに素である。

また、仮定より、n+1は確実にp以下の素因数はすべて持つから、p-1の任意の素因数はすべて持つ。

ここで、n+1とnは互いに素であるからn+1が持っている素因数は絶対にnは持たない。よって、nが持っている素因数も絶対nは持たないから、nとmは互いに素である。よってf(n)=p-1であることが導かれた。


 次に、pの最大は31であるから、(2から順に素数をかけていって10^10+1ぎりぎりになる数は29なのでpはその一つ上の素数である31が最大です。)よって、31以下の素数の個数を調べて、答えは11とわかります。

説明は長くなってしまいましたがいろいろ試していくと、こんなことしなくても、「規則性はこんな感じかな」わかるので、解くときは最後にミスさえしなかったら、この問題で詰まったり、間違えたりすることはそこまでないと思います。

問7:

三角形ABCの辺BC上に点P,Qがあり、三角形ACPとABQの垂心は一致している。AB=10,AC=11,BP=5,CQ=6の時、辺BCの長さをもとめよ。

幾何を鍛えたいという方にお勧め‼‼




解説:「これは垂心いっぱいあるから⊿ABCの垂心も作っちゃえ」と思えるかがミソです。

まず下の図のように⊿ABCの垂心Hを取り、ほかの点を下の図のように定めます。

すると、下の図のように平行が分かってくるから、5:PR=BP:PR=5:PR=HO:OR=QC:RQ=QC:6と分かるから、PR:RQ=5:6と分かります。
        


ここでAD=5k,DB=6kと置くと、⊿ABD及び⊿ACDに注目して、三平方の定理より、11k^2=21であるから、k>0より、BCの長さは√231であることが分かります。
 この問題は、もしPQが逆になるような図形を描いたとしても、PQの長さが負になるようにして解いたら答えは一つに定まります。

問8:

2以上20以下の整数の組(a1,a2,a3,…,a17)であって、a1^a2^a3^…^a17≡a2^a3^a4…^a17≡1(mod17)となるものの個数を求めよ。

解説:a1≡0(mod17)の時は明らかに、
a1^a2^a3^…^a17≡1(mod17)を満たさず、a1≡1(mod17)の時は明らかに
a1^a2^a3^…^a17≡1(mod17)を満たす。


 a1>=2(mod17)とする。

フェルマーの小定理よりpが16の倍数の時は、a1p≡1(mod17)を満たします。これより、a2は偶数であることがわかります。

また、もし左の合同式がpが16の倍数以外で、成立したとします。

この時の指数の最小をqとします。この時、qは16以下だと指定することができます。(もし16より大きかったら16を引けばいいだけだから。)すると、qは1でないことに注意してa116≡a1qs+r≡1(mod17)(r<=q)とあらわすことができます。

しかしこの時、a1r≡1(mod17)となり、r=qとなるため、qは16の約数であることがわかります(1以外)。これにより、どんな場合についても、pは偶数であることがわかるため、a2が偶数だとわかります。

よってa1>=2(mod17)の時は、a3^a4…^a17が4以上であるから、a2が偶数であることがa1^a2^a3^…^a17≡1(mod17)を満たすための必要十分条件である。

以上のことより、a1^a2^a3^…^a17≡1(mod17)を満たすための必要十分条件は、a1≡1(mod17)または、a2が偶数であることです。

同様のことが、a2^a3^a4…^a17≡1(mod17)の成立条件についてもいえるため、以下のように場合分けをすることができます。

  • a2が偶数の時: 問題の条件を満たすことは、a1は17とならないため、a2が18またはa3が偶数となることと同値であるから、この場合における通り数は、18×(1×1915+1×8×10×1914)=1962×1914通りです。
  • a2が奇数の時: 必然的にa1≡1(mod17)となるため、a1=18であり、この時、a2は奇数であるから、a2が18にならないため、問題の条件を満たすことはa3が偶数となることと同値であるから、この場合の通り数は、1×8×10×1914=80×1914通りです。

よって求める通り数は二つの場合の通り数を足し合わせることで、2042×1914通りであることが分かります。

この問題を厳密に証明しようとすると、ここまで長くなってしまいました。

しかし、a1p≡1(mod17)を満たすpが16の倍数だけであることは別に証明できなくても、とけてしまうので、答えだけなら分かった方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

いずれにしろ、この問題は合同式の基本的性質を理解するうえでとてもいい問題だったと思います。

数学オリンピックの問題を解けるようになるには

正直言って、数学オリンピックの問題ぐらいだったら(国際数学オリンピックの最終問題とか本選の最終問題とかを除いて)大体パターン化されているので、勉強さえしておいたら何とかなります。

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というわけで、数学オリンピック対策でぜひ読んでおくべき本を紹介したいと思います‼‼

下の記事から抜粋しました。もっと詳しく知りたい方は、ぜひ下の記事を読んでください‼

読むだけで数学オリンピックで点が取れる勉強法が分かる‼

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組み合わせ論を鍛えたい方にオススメ‼‼

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終わりに:

5番から8番はやはり1番から4番に比べて難しいです。(この記事を書くのに1時間ぐらいかかってしまいました。)

ただ、ミスしやすい場所でミスをしないように注意していれば問1から問8で十分合格ラインの6点は余裕でとることができると思います。

また他の問題についての投稿もありますので、それもあわせてお読みおいただければ光栄です。

それでは次の記事で‼

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