初めに
今回は、数学オリンピック2020の問題の解答・解説をしていきたいと思います‼‼
ノーヒントで解いてみたいという方は、下のリンクをクリック‼‼
第30回(2020年)JMO予選の問題 (imojp.org)
また、この記事の最後に、「数学オリンピックの問題を解けるようになる方法」について解説していますので、興味がある方はそちらのほうも読んでいただければ光栄です。
注意
この記事では、日本数学オリンピック2020の問題のうち、問5から問8までしかしていません。
ほかの問題の解答・解説が気になる方は、下のリンクをクリック‼‼
それでは日本数学オリンピック予選2020の解答・解説を見ていきましょう‼‼
日本数学オリンピック予選2020 解答・解説 問5
問題:
正の整数nは、10個の整数x1,x2,…x10を用いて( x12 -1)( x22 -2)…(x102-10)と書ける。このようなnとしてありうる最小の値を求めよ。
解答・解説:
これは、 xi2 -i の絶対値に注目します。
絶対値が小さければいいため、それだけに注目すると、下のように x1,x2,…x10 を定めることが最適だといえます。
- x1=2
- x2=1
- x3=2
- x4=1
- x5=2
- x6=2
- x7=3
- x8=3
- x9=2
- x10=3
しかし、この時、nの値は、-60となり、「正の整数」という条件に矛盾します。
なので、どっかの値を変えないといけないんですが、「変えても正負は変わるけど、絶対値はそこまで変わらないやつ」を探せばいいので、x9=3とすることで、もとめるnは、84となります。
日本数学オリンピック予選2020 解答・解説 問6
問題:
平面上に3つの正方形があり、図のようにそれぞれ4つの頂点のうち2つの頂点をほかの正方形と共有している。ここで、最も小さい正方形の対角線を延長した直線は最も大きい正方形の左下の頂点を通っている。最も小さい正方形と最も大きい正方形の一片の長さが、それぞれ1,3であるとき、斜線部の面積を求めよ。
解答・解説:
これは、補助線がめちゃくちゃ思いつきやすいので、結構簡単に解けると思います。
下のように補助線を引きます。
すると、図を見ても明らかですが、下の場所の長さが等しくなっていることがわかります。
よって、三辺相当より、下のように、三角形の合同を導き出すことができます。
これにより、下で示す角度が等しくなっていることがわかります。
左下の頂点のところに注目すると、丸が2個と四角が2個で90度になっているので、下の角度が45度ということがわかるため、下の図のオレンジの線で囲ったところが平行四辺形になっていることが導き出されます。
よって、下のように長さと角度が問題の条件よりわかります。
さらに、上の図でオレンジ色で示している長さは、三平方の定理を使うことで、
より、
と分かるため、もとめる斜線部の面積は、
より、
と分かります。
日本数学オリンピック予選2020 解答・解説 問7
問題:
2×1010のマス目の各マスに1以上5以下の整数を一つずつ書き込む。辺を共有して隣り合うドの2ますについても書き込まれた数の差が2または3となるように書き込む方法は何通りあるか。ただし、回転や裏返しにより一致する書き込み方は異なるものとして数える。
解答・解説:
この問題、難しいようで手を動かしてみれば簡単です。
まず、それぞれの列に縦に並ぶ可能性がある数字の並びの組み合わせは、
(1,3), (1,4), (2,4), (2,5), (3,1), (3,5), (4,1), (4,2), (5,2), (5,3)
です。
また、上に挙げた組み合わせのうち、列として隣り合わせになることができるものを平面グラフみたいに結び合わせると、下のようになります。
上の図より、どの組み合わせに対しても、隣り合わせになりえるものは3通りずつ存在するので、もとめる答えは、
10×31009通り
と分かります。
日本数学オリンピック予選2020 解答・解説 問8
問題:
100個の正の整数からなる数列a1,a2…a100が次を満たしている。
- 2≦k≦100なる整数kに対し、ak-1<akである。
- 6≦k≦100なる整数kに対し、akは2a1,2a2…2ak-1のいずれかである。
この時、a100としてありうる最小の値を求めよ。
解答・解説:
問8なのにこんな簡単な問題でいいんですかね。
例えば、
1,2,3,4,5
と並んでいたとします。この次に来る数として一番最適な数は、3×2により、「6」ですが、この場合だと、1や2を全く使わないので、
1,2,3,4,5,6,8,10,12,16,20,24,32,40,48,64,80…
となり、3つ周期に2倍になっていっています。
これは、周期が短ければ短いほどどんどん数は膨大に、逆に周期が長ければ長いほど数の大きくなり方が緩やかになっていきます。
よって、周期が5になるような一番小さい最初の5つの数を定めればいいので、
5.6.7.8.9.10.12.14.16.18.20…
とするのが最適だといえます。
よって、もとめるa100として考えられる数の中でも最小の数は、
5×219
といえます。
↑問8なのにこの程度の問題が出るなんて、だいぶ簡単な年ですね。
数学オリンピックの問題を解けるようになるには
正直言って、数学オリンピックの問題ぐらいだったら(国際数学オリンピックの最終問題とか本選の最終問題とかを除いて)大体パターン化されているので、勉強さえしておいたら何とかなります。
というわけで、数学オリンピック対策でぜひ読んでおくべき本を紹介したいと思います‼‼
パーフェクトマスターシリーズ
これは、特定の分野をしっかり固めたい方にお勧めです。
大事な問題だけがセレクトされているので、その分野の問題をしっかり鍛えることができます。
初等整数を鍛えたい方にオススメ‼‼
これは、初等整数をマスターしたい方にお勧めです。
初等整数の問題はよく本選の大門1なんかで出題されることが多いので、そういった類の問題を解けるようになりたい方はこの本がおすすめです‼‼
平面幾何を鍛えたい方にオススメ‼‼
下の本は平面幾何を鍛えたい方にオススメの本です。
「数学オリンピックの幾何の問題を解いていると、「こんな発想が出てくるわけないだろ!!」みたいな問題にあたることはよくあると思います。
この本を読むことで、そういう問題たちをすらすら解けるようになります‼‼
代数・解析を鍛えたい方にオススメ‼‼
下の本は、代数、解析を鍛えたい方におススメの本です
数学オリンピックの問題の中でも、「絶対解けるか!!」みたいなレベルの問題って稀にあるじゃないですか。
こういう問題は、代数・解析の分野に入ることが多いです。
数学オリンピックで、難しい問題を解いてほかの受験生と差をつけたい方にはこの本をお勧めします‼
組み合わせ論を鍛えたい方にオススメ‼‼
下の本は、組み合わせ論を鍛えたい方におススメの本です。
数学オリンピックの場合の数の問題は、ほかの分野に比べてそこまで難しい問題が出題されることはあまりないんですが、とにかくめちゃくちゃミスしやすいように巧妙に仕組まれています。
そんなミスしやすいポイントをしっかり克服するためにも、ぜひこの本は見ていただきたいです。
過去問をひたすら解きまくる
これも結構おすすめです。過去問を全部解いていれば、実質数学オリンピックに関係する問題を全部網羅したようなものなので、完璧にマスターしたい方にはこちらの方法をお勧めします‼‼
ほかにも過去問についてはいろんな著者がいろんな本を出版しているので、ぜひそちらの本も調べてみてください。(下リンク)
数学オリンピックの参考書は高すぎる‼‼
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また、息抜きに読書したいときにも役に立つので、ぜひこれは、お勧めしたいです‼‼
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終わりに
いかがでしたか。
ほかにも数学オリンピックの解説している記事もありますので、そちらのほうも見ていただければ光栄です‼‼
それでは次の記事で‼
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